今回は、フランキー・スタッブスのプロデューサーとしての側面について
彼がプロデューサーとして関わったバンドの作品を通して触れていきたいです。
ChopperやBroccoliが現役でバリバリと活躍していた頃には、
フランキーのプロデュースを抜きにはUKメロディックは語れないと言える程の影響力を誇りました。
(大袈裟な言い方かもしれませんが、それほど良いバンド、良い作品を手掛けていると思います。)

Leatherfaceの再結成及び、その活動の活発化の影響もあってか、
最近は、ちょっとプロデュース業はご無沙汰みたいですが
近々にリリースが予定されている('05年2月現在)Four Letter Wordの新譜にて、その業務を再開したようです。
ここでの資料についてはLeatherfaceについて世界一詳しく扱っているサイト、Shipyardsを参考にさせていただきました。
このテキストで扱えなかったバンドも記述されていますので、興味のある方はそちらも来訪してみて下さい。

Appleorchard - Anything Could Go Right Or Wrong/Tacet
アルバム、シングルともに隠れた名盤だと思います。
Broccoliを感じさせる湿ったサウンド、Rumblestripからのリリース、
そして、フランキーのプロデュース作品というだけで興味をそそられる方も多いかと。
…と思ったら、Broccoliのメンバーの1人が参加してたんですね。そりゃあ良いに決まってますよ。

Broccoli - Broccoli/Broken/All Smile/Relent/Lean/Split With Chopper/Neglect It
1stアルバム及び、その他諸々のシングルでプロデュースを担当。
今は無きRugger Buggerのウェブサイトでは、セルフタイトルの1stアルバムはCD盤には
Peel Sessionがボーナスで入ると書いてあったんですが、これってボツになっちゃったのかな?
ちなみに、Peel Sessionの主催者、ジョン・ピール氏は2004年末にバカンス先のフランスで急死なさっております。
これからはPeel Sessionが行われる事もなくなってしまうのでしょうか。ご冥福をお祈りします。

China Drum - Fall Into Place
1stアルバム発売以前のシングル「Fall Into Place」の中の1曲、「Cloud 9」でプロデュースを担当。
CDと10"では曲目が違いまして、こちらの曲は10"のみの収録となっています。
2ndアルバム以降の(バンド名を変えてからは聴いてないのですが、まだ活動してるのかな?)、
China Drumを聴いていると、ずっとフランキーにプロデュースを担当してもらっていたら…なんて思っちゃいます。
そんなのを言っても、もはや詮無き事ではありますけど(It's too late to say those words)。

Chopper - Last Call For The Dancers/Self Preservation Society/Porcelain/For Youth And Valour
1stアルバムと、2枚目から4枚目のシングルにかけてプロデュースを担当。
この1stにしてラストアルバム「Last Call For The Dancers」は、
まさしくこの時期のUKメロディックを代表する1枚でありましょう。
ただ、惜しむらくは隠しトラックのビートルズのカバーは余計だったかな…
あくまでも自分にとってはの話ですが、「F.Perry」で終わっておけば
アルバム全体の流れとしてもすごくキレイだったのに、と思う訳です。
でも、それを抜き差しした上で考えても本当に紛う事なき名盤。

Cone - Smile For Me
Cone唯一のリリースでプロデュースを担当。
Chopperがお好きな方には確実にストライクゾーンに入るであろうポップでキャッチーなメロディがナイスなバンドです。
また、フランキーは、このシングルが発売される前のデモにおいてもプロデュースを担当したようです。
V.AのKilled By Crackleに収録されている曲、「Blathered」は、おそらくこのデモからなんじゃないかなぁ。
(Panicが同じ曲を演奏してる辺りを見ると、誰かのカバー?…すごく有名なバンドの曲だったりして。)

Crocodile God - Boss/Mind The Cat
2枚目と3枚目のシングルにてプロデュースを担当。
けっこうアルバムやシングルごと、もしくは曲ごとの当たり外れが大きなバンドではありますが、
この「Boss」なんかは本当に良いシングルだなぁと、しみじみ思います。
1曲目の「Dog's Trousers」から、最後の「Nylon」までの流れも良いし。

Donfisher - Setting New Standards In Apathy
ChopperとGanのメンバーからなるバンドです。
このEPは、個人的にはCrackleリリースのベスト・シングル。
しかし、その活動期間はとても短かく、ライブを数本行っただけで解散してしまったみたいです。
もしかしてUrin 8みたいに、ちょっとしたお遊びで作ったバンドだったのかなぁ。
いや、それにしてはクオリティーが高すぎますよね、これは。

Drive - Go Out Be Happy/Out Freakage
名盤「Out Freakage」と、その直前に出したシングルをプロデュース。
上記の音源の他では、2番目のデモについてもプロデュースを担当したようです。

Eggplant - Anorak Twat/Cat Boy-Cat Girl
Wat TylerのJulieが参加していたバンド(いや、こっちのバンドが本業で、実はWat Tylerはサポートだったのかな?)。
フランキーはEggplantがリリースした2つのアルバムの両方でプロデュースを担当しています。
自分は「Anorak Twat」しか聴いた事がないのですが、これがまたすごく良かったです。
某有名アニメーションの悪役からサンプリングしたCDのジャケットも素敵だったんですが、
あのキュートな歌声でLeatherfaceの名曲「Not Superstitious」を演奏されたら、そりゃあノックアウトですよ。
ちなみに、この曲はWat Tylerでも、ほぼ同じバージョンで演奏されています。

(また長くなってしまいましたので、前と同じく前後編に分割します。これ以降のバンドについては其ノ四にて。)

Take it back, it's too late to say those words.