Visions Of Change

ディレイをかけたギターと、モンド(*注)を感じさせるオルガンを取り入れて
一風変わったメロディックチューンを鳴らしたVisions Of Change。
1stアルバムをターンテーブルに乗せると流れてくるエスニックなイントロが象徴的。
黎明期のUKメロディックを影で支えたバンドと言えなくもない感じでありましょう。
(*注)モンド(mondo)は、元々イタリア語で“世界”という意味。
ただし、ヤコペッティの「世界残酷物語(原題:Mondo Cane)」を契機に、
世界各地の奇習をドキュメンタリーで描いた(その殆どはヤラセですけど)、
モンド映画なるジャンルが日本においても確立されてからは
本来的な語感とは違う意味合いを持つモノとなりました。…って、どうでも良い事ですね。

Visions Of Changeが残した2枚のアルバムは
どちらもB級テイストが溢れる逸品でありますが、
双方を比較すると多少のベクトルの違いを見せておりまして
Fireflyからリリースの1stでは熱く歌うボーカルが印象に残るのに対し、
フランスのBig Kissからのリリースである2ndの方では、
よりポップな側面に重点を置いている感じがします。
あ、そうそう、1stのリリースをしたFireflyってのは、Travis Cutのレーベルとは別の所ですよ。

下記の音源以外ではWorkers PlaytimeからのV.A「Gruesome Stains」で
「It'll Happen Again」を収録しています。歌い上げるボーカルとポップさが融合した良い曲です。
他にも、自分が知る限りではV.A「Vile Peace」で「More Than Now」、
V.A「The North Atlantic Noise Attack」で「Under One Fist」を収録しております。
あと、V.A「Airstrip One」では「Roundabouts And Swings」を収録。
3曲ともにアルバムに収録されている曲ですが、もしかしたらバージョン違いという可能性も。
(ごめんなさい、要するに上記3つのV.Aは、どれも持ってないんですよ…)

Vo/Gu/Keyと八面六臂の活躍を見せたバンドの中心人物Leeは、
その後、再結成されたSnuffにオルガン奏者として加入。
そう言えば、Snuff中期の名曲「Flake」で見せた、あの味のあるオルガンは
Visions Of Changeの曲で奏でられた物に通じる感じがします。
(2006年03月06日)


Visions Of Change(LP:Firefly)

01.Roundabouts And Swings
02.Visions Of Change
03.You Turn Away
04.Burn Within
05.Shades Of Green
06.Anymore
07.Just Dreams
08.Under One Fist
09.Muso
10.Reciprocate
11.August A Go Go
12.More Than Now
13.Be The Child
14.Day Tripper

My Minds Eye(LP:Big Kiss)

01.Endless
02.Still Tomorrow
03.Witness
04.I See In You
05.What I Want
06.When I Talk To You
07.Intention
08.An Accountant Like Miranda