Ipanema

SerpicoからIpanemaに改名してからのシングルは素晴らしい出来栄え。
2曲ともに初期MC4を思わせるスピードチューン!
個人的にはMC4の時にライブで演奏していたHusker Duのカバー、
「Don't Want To Know If You Are Lonely」に近い物を感じます。
特に、2曲目は“she is in my skull,in my skull”というリフレインが癖になる佳曲。

しかしながら、シングルのリリース後には目だった動きがなく、
'04年の3月からはドラマーの不在によって完全に沈黙。
(一時期、元ServoのJhonsonがバンドに加わったみたいですが、彼はすぐに辞めてしまったとか。)
活動の継続が心配されましたが、'05年に入って新しいドラマーを迎え念願の再始動を果たしました。
また、ベーシストはMega City FourのメンバーであったGerryが務めているそうです。
そして時は流れ、新体制で作成したミニアルバムはダークでヘビーな感触の佳作となりました。
フェイバリットは2曲目の「White Cat In A Snow Town」です。深く沈み込んだ歌詞もグッド。
“明かりは点いてるけど、誰も家にいない。魂を売り渡した。統制を失った。僕の声が聞こえるかい?”

フランスのバンド、Atomic Gardenとのスプリットは
Wizの突然の死によって、彼の遺作となってしまいました。
Ipanemaはアコースティックナンバーの「Negative Part」と、
ミドルテンポの「Vote For Pedro」で、じっくりと聴かせる2曲を収録しています。
一方のAtomic Gardenは、Ipanemaの名曲「Skull」をアコースティック調の演奏で収録。
間奏での美しい鉄琴の調べなと、曲の良さが伝わる良いアレンジです。

Wizが夭折する直前にイギリスの友人との
メールでのやりとりの中に、こんな一文がありました。
“昨日、Mega City FourのWizに会いに、
彼の新しいバンド、Ipanemaを観て来たんだ。
Danny(ex:Mega City Four)も一緒だった。すごく良い夜だったよ。”
人に夢と書いて、儚い。自分には、そうとしか言い様がないです。
でも、もはや言っても詮無き事なんですね。
“take it back, it's too late to say those words.”
(2007年08月01日)

追記:Wizの死から間を持たずして全音源10曲に
未収録だった7曲曲を加えたディスコグラフィーがリリースされました。


Je Suis Un Baseball Bat Vs Skull(CD&7":Boss Tunage)

01.Je Suis Un Baseball Bat
02.Skull

Me Me Me(CD&10":Boss Tuneage)

01.Nervosa
02.White Cat In A Snow Town
03.Burkina Faso
04.Flag Burner
05.Lockjaw
06.Attrition

Split With Atomic Garden(CD&7":Boss Tuneage/Dumbinc)

01.Fourth Division (Atomic Garden)
02.Negative Part (Ipanema)
03.Skull (Atomic Garden)
04.Vote For Pedro (Ipanema)

Ipanema(CD:Boss Tuneage)

01.Je Suis Un Baseball Bat
02.Skull
03.Nervosa
04.White Cat In A Snow Town
05.Burkina Faso
06.Flagburner
07.Lockjaw
08.Attrition
09.Misery And Vomit
10.Against The World
11.Hyperkarma
12.Rayguns To Venus
13.Me Me Me
14.Quarantine
15.Is It Still Raining Outside?
16.Dissenter
17.Vote For Pedro