以前にUPしたSee Her Toniteのような事をNavelでもやってみたいなぁと思い、
11曲(+番外編5曲)のフェイバリットチューンを並べて、自分の見解を記述してみました。
曲の並びはアルファベット順になっています。
Navelは結成から15年以上にわたって一貫した活動を続けています。
メンバーもベース奏者が変わっている以外は、ずっと変わらぬままのメンバーです。
また、脱退したベースの方々も仲違いなどで抜けた訳ではなくて、
現在でも互いに親交があるようです。そういうのって素敵ですよね。
ちなみに初代のベース、奥山氏は現在、某寺院の住職、
二代目のベース、辻氏は現在、「Kanon」に涙する純粋な心を持ったまま整復・固定などの治療に従事、
三代目のベース、柴氏は現在、Allowedというバンドで活動中。
現在のベースを務める東畑氏は、以前にはThe Last Last One、
そして、Comboyという素晴らしいバンドにも所属していらっしゃいました。
Navelのディスコグラフィーについては、こちらからどうぞ。
Absolute Terror Field - From:1st Album 「Uneasy」
曲名は我等が聖典「新世紀エヴァンゲリオン」のATフィールドから。
元ネタの最終回の題名との不思議な符合は偶然か、必然か。
「世界の中心(≒Navel)でアイ(I=自分)を叫んだけもの」。
確か、Navelって、おへそって意味と、中心って意味で付けられたと聞きました。
これ、そのまんま、Navelの活動やライブに当てはまると思いません?
各パートは自分勝手にやってるように見えて、そこには不思議な調和がある。
しかも、この曲は我が麗しの女神、「イケてる二人」の小泉明に捧げられた曲でもあります。
ドラムの伊藤巧氏(以下、タクミ氏)はその熱心ぶりさから、
「イケてる二人」の著者、佐野タカシ先生から年賀状が届いたそうな。…羨ましいなぁ。
Closed Man - From:Compilation Album 「1994-1999」
アニメ、漫画などの二次元の世界に夢中な方々について唄われた曲。
ある時に冗談で、“アニメイトじゃなくてアニメイトウですね”と言ったら、
某所でハンドルネームとして使用していただけました。有り難い事です、勿体無い事です。
しかし、何気なく曲をアルファベット順にする事で、よりにもよって、この2曲が冒頭に来ようとは…
これも聖なるアニメーション神の思し召しか。
GLAYで言うところの「A-Boy〜ずっと忘れない〜」的な。
あ、“A-Boy”のAは、聖地であるところのアキハバラですよ、もちろん。
それと、この録音以外にもデモテープのヴァージョンがありまして、
そちらはテープでのV.A.「Super Sonics 1」にも収録されておりますです。
Exhausted - From:2nd Album 「Depend」/ EP 「Split 7" With The T.V. Dinners」
EPとアルバムで最も印象が違った曲の1つです。
EPでは少々粗い音質でスピーディーな物で、アルバムの方ではテンポを落とし、
丁寧に歌詞が紡がれています(でも、考えてみれば、Navelの音源って大体そうですよね)。
で、この歌詞がまた非常に心を揺さぶる物で、自分は聴く度に心がチクチクするのを感じます。
“眠りは遥か彼方にあるようだ。それは君と会うくらい、君と話すのと同じ位に困難な事。(*意訳してます)”
そして、何と言っても、EPとアルバムで印象が違う原因はタクミ氏のドラミングにありまして、
特にアルバムの方でのイントロ部分では、ある種の心地良い緊張感を感じる事が出来ると思います。
Idling - From:1st Album 「Uneasy」
数あるNavelの名曲の中でも自分のベストとして挙げられる曲。
自分はイントロの部分だけでノックアウトなのであります。
様々に表情を変えるドラミング、歌うように爪弾かれるベース、
コードでリズムを刻むギターに繊細すぎるソロが重なります。
小節ごとにフレーズを変えるドラムが、自分の内面だけを見つめた歌詞が、
2人で掛け合うコーラスワークが、すごく、すごく、好き。
Must Obey - From:1st Album 「Uneasy」
いつもNavelのライブでは最後の曲はショートチューンで飾られておりますが、
自分は数あるショートチューンの中でも、この曲と「Hate」が特に好きです。
特にイントロのギターがジャーンってなる部分。
ビートルズの3rdアルバムでの始まりの曲でも言える様に、
最初にガツーンと来るフレーズってのは重要な事なのであります。
Smallbag -From:2nd Album 「Depend」
若くして亡くなってしまったSkimmerのドラマー、Andyに捧げられた曲。
ブックレットで“捧げる”という英単語のスペルにミスがあるのは大目に見ましょうよ。
以前、自分がサイトでNavelの動画を公開する際に
投票での多数決でUPする曲を決めるという事があったのですが、
その時、この曲の題名を「Andy」にしていたのを自分も冨永氏も気付かなかったのです。
そうしましたらば、投票のメールで“Navelは「Not A Day Goes By」以外にも
Leatherfaceのカバーをしていたのですか?”という核心を突いたツッコミを戴きました。
そうですよね、Andyと言えば、Snuff、Leatherfaceでベースを弾いて、
こちらも若くして亡くなってしてしまった人物も、またAndyだったのでした。
そのツッコミを戴いたLeatherfaceの曲の方は、
Hot Water MusicとのスプリットCDの1曲目に収録されています。
Repetition - From:1st Album 「Uneasy」
初代ベーシスト奥山氏がメインのボーカルを歌う曲。
ショートチューンを除けばNavelの曲でもハードな部類に属し、
マクロ的な詞が歌われております。アルバムでの次の曲、「Ideling」では
ミクロ的な歌詞で優しいメロディーが奏でられる事と対比してみて下さいませ。
「Repetition」という題名を訳すと繰り返し、反復という意味になりますが、
もう一歩踏み込むとボブ・マーリィーの「Redemption Song」と同義になります。
それは即ち、救いの歌であります。でも、その一歩には深い深い溝があるのです。
ボブさんのように宗教的裏付けが無いなら簡単に救いなんて言葉を使うべきじゃないし、
もはや、日本では宗教ってのは伝統的な俗習に過ぎないのですから。
この曲のように傍観者的に述べる歌詞は無責任?
いや、主観者的に述べておいて、そのクセに何も出来ない方がよっぽど無責任だ。
Swaring - From:EP 「Split 7" With Fifth Hour Hero」
2ndアルバムのリリース以来となる久々の新曲。
四代目ベーシストの東畑氏(以下、トウハタ氏)加入後、初の音源です。
加入後1年かな、今(2008年)にして聴いてみると、
まだ“Navelのベースライン”に適応出来ていない節が見受けられるのですが、
現在の彼は本当に良いベースを弾いていると思います。
その弾きっぷりはブイブイ言わせているという表現がピッタリ。
1年くらい前までの通称・大きな仔犬は成犬になりつつあるのです。
The Day Before Fishing - From:1st Album 「Uneasy」/Compilation Album 「1994-1999」
「1994−1999」のボーナストラックに収録されているヴァージョンは、
元々、Travis Cutとのスプリット7"に収録されていた物であります。
またメンバー自身が封印しているとされる禁断の1stデモでは、それとはまた違ったヴァージョンが聴けます。
そのデモでのテイクは、ライブで配布されたテープのV.A.「It's All In My Head」にも収録されています。
この曲のウキウキするような感じは、楽しみな事を明日に控えている、
レイの…いや、もとい、例の感じを如実に表現出来ていると思うのです。
Viewpoint - From:1st Album 「Uneasy」
「1994−1999」のボーナストラックに収録されているヴァージョンは、
元々、Travis Cutとのスプリット7"に収録されていた物であります。
イントロやAメロは地味に聴こえるかもしれませんが、
それはサビの部分への見事な伏線なのであります。
互いに掛け合い、輪唱気味に歌う2つのメロディーが
“今、僕に何が出来るだろう?”というフレーズに帰結する快感。
Wish - From:2nd Album 「Depend」/EP 「Split 7" With Line」
スプリットでのヴァージョンは辻氏によるドスの効いたコーラスワークがナイスです。
また、テープでのV.A.「Super Sonics 3」に、この2つとは別のヴァージョンを収録。
「The Day Befofre Fising」と同じく、「Wish」は全部で3つのテイクがある事になります。
この曲を初め、Navelには初代の時と変わらず、
どんなベースラインですか、コレって曲が多いのですが、
実は、家でベースラインを組み立ている際には、さらに複雑なモノだったそうな。
バンドで合わせてみたら、イマイチだったからフレーズを削ったとか、そうでないとか。
番外編
Awkward Kid - From:V.A.「I Hope The End Is Always The Beginning」 (*original recorded by Mega City Four)
辻氏がベースを務めた最後の2曲から。
“最後だから、ムチャクチャ難しいベースラインを弾いた”とは辻氏自身の言。
このV.A.に収録されている、もう1曲の「Sink」もアルバム未収録となっています。
しかし、NavelがMega City Fourの曲をカバーするのは反則じゃないですかねぇ。
Driveのメンバーへ来日する時に共演するバンドの音源を送った際には、
“Navelの曲は非常にグッドだ。彼等はMC4のようだ”と言わしめたのですが、
その言葉は、この曲のカバーによって裏付けられているとも考えられましょう。
(*Driveのメンバーは、その時点ではNavelがMC4をカバーしているとは知りませんでした。)
Forever Seventeen - From:Compilation Album 「1994-1999」 (*original recorded by The Sect)
原曲はSkimmerの前身バンド、The SectがV.A.「Underground Rockers Vol.1」に提供した物。
このEPではSkimmerの方も同じくThe Sectの曲、「Summer Girl」をセルフカバーしています。
NavelがSkimmerに招かれてUKツアーを敢行した際に、
最後の会場での最後の曲が、この「Forever Seventeen」でありまして
Navelが演奏をしてSkimmerのKevinが歌うという感動的なシーンも。
あと、Skimmerが2008年に来日した際にも、
しっかりとNavelはサポートを務めまして変わらぬ友情を確かめ合ってました。、
で、Vo/GuのKevinは会場で知り合いの女性(単独行動だった模様)を連れて
打ち上げで、その女性と喋りっぱなしという相変わらずの17歳っぷりを見せ付けましたねぇ。
Kamala's Too Nice - From:Compilation Album 「1994-1999」 (*original recorded by Screeching Weasel)
原曲は、ポップパンクの英雄、Screeching Weaselから。
Screeching Weaselの原曲は、ベスト盤的な色合いが強い「Kill The Musicians」と、
名盤3rdアルバム「My Brain Hurts」に収録された2つのヴァージョンがあるのですが、
Navelは3rdアルバムに収録された方を参考にした物と思われます。
このカバーに対する巷での評価は余り芳しくないようなんですが、自分は結構好きですねぇ。
Not A Days Goes By - From:V.A. 「The Bastard Can't Dance」(*original recorded by Leatherface)
2006年にLeatherfaceが来日した時期に初代ベーシスト奥山氏が一時的に復帰、
来日前にこの曲を録音し、来日公演でも演奏を務めました(この曲は演奏しなかったけど)。
イントロでの印象的なベースライン、Aメロの印象的な歌い出し、
最後のサビでの冨永氏との掛け合い、どれを取っても素晴らしい出来具合。
しかも、この曲はLeatherfaceの中でも3本の指に入ろうかという名曲であります。
“全てが新緑で理想的に見えた時”という歌い出しに始まり、
“夜はいつの間にか明けて、僕等は、その変化に気付かなかった”、
“僕は君が間違っているなんて思わなかったし、まだ君の好きだった曲を歌えるよ”。
こんな感じで、歌詞も繊細を極めるモノでありまして、そりゃあ悪い訳が無いじゃないですか。
Rainfall - From:V.A. 「Notsuperstitious Show Series Vol.1」
ミドルテンポで聴かせるメロディー、
繊細なベースラインなど、Navel節を全開に披露した佳曲。
何で、この曲はV.A.にしか収録されてないんだ?
他にも辻氏在籍時に録音されて未収録となっている曲の1つに
2ndアルバムの最後を飾る「Bystander」があります。
これが辻節全開のシャウトとなっていて、アルバムとは一味違った形になってます。
で、辻氏本人に現在のベース、トウハタ氏について尋ねたら、
“素晴らしい。ただ、ちょっとシャウトが足りない”と。
でも、大丈夫だよ、とはたん。
愛しの女性(二次元)と出会えない怨念を声に込めれば、きっと素晴らしい叫びになるだろうから。