*初出:Local Communication Zine 2007年3月号
(*この文章は2006年09月10日に書いた文を再構成した物です。)

この度、自分はレーベル活動ってモノを始める事にしました。
レーベルの名前は、Fixing A Hole Recordsにしようかと思っています。
The Beatlesのマイナーな曲の名前からの引用である訳ですが、
“I'm Right Where I Belong”というサビの歌詞が気に入ってまして。
エヴァを想起させて良いですよね。僕は自分が居るべき場所に居るんだ、と。
もしくは、“心の隙間(穴)、お埋めします”という「笑ゥせぇるすまん」の台詞みたいな感じ。

ただし、自分のレーベルから音源をリリースしたいって事は、
自分にとっては、あくまで二義的な物に過ぎないんです。
好きなバンドが十全に活動出来ていて、音源も通販などを利用すれば簡単に入手出来る。
そんな環境であったなら、自分はレーベルを始めたいとは思わなかったでしょう。
でも、ご存知のように、そうでない事も現実には多いのです。
つい先日にもNavelの「1994-1999」が終了時間まで間があるにも関わらず、
ヤフオクにて3000円近い値段で入札されておりました。 それも今週中だけで2件目の出品。
いわゆる、需要と供給のバランスが取れていない状態ですね。
いや、ヤフオクで出品する人にとっては3000円の値が付くなら売るって事だから、
彼等の立場から見れば、ようやく均衡価格になったとも取れますけど。
一般的な経済学の理論だと、需要と供給の不均衡を是正するのは、
政府の公共事業だったり、あるいはボランティア活動による奉仕だったりするのです。
レーベル活動が公共事業やボランティアだなんて思ってはいませんが、
例えば、Travis Cutの1st LPのように、お金が無くて困っていた所を
Damaged Goodsがヘルプして音源をリリースしたなんて逸話の中には、
レーベルは好きなバンドのために奉仕するという側面も確かにあると感じるのです。

もし、バンド側に金銭的な問題という穴があるのなら、それを埋めたい。
いつになってもSkimmerのEPとアルバムがリリースされないのは、
そうした背景もあるんじゃないかと勝手に思っています。
そうでなければ、自分の如き一介のファンである小市民なんかに
“良いレーベルを知らない? 君が出してくれれば良いのに”なんてメールは送らないハズだから。
もしかしたら、Kevin(Skimmer)も、Dan(Drive)も社交辞令的な形で書いただけであるのを
自分が舞い上がって、実際の意味よりも拡大解釈してるだけなのかもしれないですけど。
それと、今回、Identityのディスコグラフィー盤はリリースされるのに、
その後のバンド、Funbugのディスコグラフィー盤は出ないの?という疑問から、
その旨を尋ねるメールを以前から交流のあったメンバーのJasonに送りました。
何処からも出す予定がないんだったら、 e-bayでCD-Rのブートを売るよりも、
自分がある程度きちんとした形でCDとしてリリースしたい、と。
だから、Funbugも仮にディスクユニオン(Make The Connection)からの話があって、
そちらからリリースされるって事ならば、その方が絶対に良いと思います。
だって、そちらの方が確実に多くの人に聴いて貰えるでしょうから。

自分に出来るのは、ポツリと空いた小さな穴を埋める作業だけでしょう。
そして、それが自分の居るべき場所であるのだと思っております。
そういった意味も込めて、Fixing A Hole Records。

Take it back, it's too late to say those words.