始まりは2005年の7月にイギリス在住の日本人女性からメールが来た事でした。
何でも、当サイトのDriveに関する紹介文を英語に訳してほしいと本人から頼まれたとか。
日本にも音源の再発を望んでいる多くのファンがいますよと返信したところ、
今度は、ダン自身から10月に2枚組でディスコグラフィー盤が出る予定で、
DriveのT-シャツを送るから君の住所を教えてほしいという旨のメールをもらったのです。

その後も、彼がmyspaceにDriveのページを作った時に連絡をもらったり、
Peace Of Breadのmyspaceがダンのページでのリストへ追加された時に
“彼等は僕の友達なんだ。すごく良い人達だよ”と改めて彼にPeace Of Breadを紹介したり、
“ディスコグラフィー盤は来年の3月くらい(*さらに遅れる模様)には出ると思うよ”と教えてもらったりで
色々とメールでのやり取りが続いておりまして、そんな折、ツチヤ氏(Peace Of BreadのGu/Vo)から
“ダンは3月に日本に来るから、その時に会う約束をした”という知らせを受けたのです。

心の底から羨望を感じつつ、嫉妬のような感情が芽生えるのを感じ始めた数日後、
自分にも“日本では大阪と京都にも行くから広島にも立ち寄るよ”ってなメールが。
いやいや、知らないのかもしれないけど大阪から広島まではけっこう遠くて
交通費とかもバカにならないんじゃないかなぁと思いながら、
広島に来る日が祝日の前(2006年3月20日)だった事もあり、喜んで申し出を受けさせていただいたのであります。
(*ダンに会った時に聞いたら、のぞみ以外の新幹線に乗り放題のフリーパス・チケットを持っていました。)

そんな訳で以下は、ダンに会った時の印象的な会話を書き留めた物です。
Dan=ダン、D2=ドウドウってな感じになっております。
断片的な記憶を辿った物なので、まとまりを非常に欠いてますが、けっこう面白いと思いますよ…多分。

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(サインを貰うために、あらかじめ机に置いておいたDriveの音源を見て)
Dan:いっぱい持ってるねぇ。僕らの音源は全部持ってるの?
D2 :いや、「Out Freakage」はCDでしか持ってない。
だから、Descendentsのカバーは友達にEPを借りて…
Dan:CDに焼いたの?
D2 :うん(笑)
Dan:グッジョブ!(笑) 実は、あのEPのマスターテープがなくてさ。
ドラマーが持ってるはずなんだけど連絡がつかないんだ。
彼は今、オーストラリアに住んでてね(あるいは、これがリリースが遅れている原因か?)。
もしかしたら、あの2曲はディスコグラフィー盤から外れちゃうかも。
D2 :デモの曲は収録されるのかな?
Dan:まだ分からないなぁ。
D2 :作業はあんまり進んでないの?
Dan:うん、そうみたいなんだ。
D2 :早くリリースされれば良いのにね。あー、僕は2ndデモの曲を持ってるよ!
Dan:2ndデモ!? そんなの僕等でも持ってないのに。
D2 :ほら、ファンジンのオマケで「Atmospheric Pressure」が収録されてるヤツ。
Dan:ああ、僕はあの曲については、そのデモバージョンの方が好きだ。
アルバムの方にはフランキーがコーラスで入ってるけど、Driveのサウンドに彼のコーラスは勿体ないよ。

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(ダンが肉や魚を食べない事について)
Dan:僕は20年前からヴェジタリアンになったんだけど、
このレザージャケットは22年前から着ている。それでOKだ(笑)
(*こういう柔軟な姿勢って実に素敵だと思います。)
D2 :ビーガンとヴェジタリアンって、どう違うの?
Dan:ビーガンは肉や魚だけじゃなくて、卵やチーズなど動物性の物も食べない。
ヴェジタリアンは肉や魚は食べないけど卵やチーズなんかは大丈夫って人が多いね。
だから、僕は(肉抜きの)お好み焼きを食べるのはOKなんだよ。
D2 :日本に来てから、うどんは食べた?あれなら肉や魚は入っていないよ。
あっ、でもカマボコが入ってるか。ほら、あの白とピンクのやつ。
もし食べる時にはカマボコだけは、よけちゃうと良いかもね。
Dan:カマボコは何から出来ているの?
D2:えーっと、サメとか…
(*他にもたくさんの魚が使われてますけど、英語でパッと思い浮かぶのがサメしかなかったのです。
さらには、うどんって鰹節を使ってますよね。…マズイ事を言っちゃったかなぁ。)
Dan:そうだ、日本ではクジラを食べるって聞いたけど?
D2 :いや、今の日本ではあんまり食されていないねぇ。色々と抗議とかもあるし。
Dan:あー、馬鹿げているよね。こないだイギリスで迷って弱ったクジラを海に戻そうとしてたんだ。
どちらにしても死ぬってのは分かっていたのに。そんなのはお金の浪費にしか過ぎないよ。
D2 :そうだねぇ…グリーンピースって知ってる?
Dan:もちろんだ。奴等はヒッピーだよ(笑)
D2 :最近、彼等が日本の大使館にクジラの死体を持って来たんだって。
そんな事して何になるんだろう?あれは確かに時間とお金のムダ使いだねぇ。

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(自分のサイトに載っているバンドの一覧を見て)
Dan:あー、Cateranだ。良いバンドだね。
この中では、どのくらいのバンドと連絡を取ったの?
D2 :10バンドくらいかなぁ。でも、知ってるよね?
ここにあるバンドの多くは互いに関連性があるから…
Dan:うん。
D2 :例えば、Lovejunkと連絡を取ったって事は、
Perfect Dazeについても連絡を取った事になるのかも。
Dan:Perfect Dazeは知ってるよ。でも、一緒にライブをした事はないなぁ。
彼等が解散した辺りで僕等(Drive)は活動を始めたから。
D2 :そうそう、Annaliseは向こうから連絡をくれたんだよ!
Dan:ゴメン、そのバンド知らないな…
D2 :Wordbugは知ってる?Mad At The Sunは?
Dan:あー、それなら知ってる。彼等から連絡があったんだ、スゴイね!
D2 :本当に信じられなかった。僕のサイトを見てメールをくれたんだ。
Dan:僕と同じだな(笑) 僕が君のサイトを見つけた時は“Drive”と“Greasegun”で検索したんだよ。
D2 :あっ、思い出した!君のmyspaceから僕の所にリンクを貼ってくれてるよね。
すごく嬉しかった、ありがとう!でも、殆どが日本語で書かれてるから参考になるかどうか…
Dan:いや、曲名は英語だから大丈夫だよ(笑)
D2 :SkimmerのKevinも同じ事を彼等のmyspaceで書いてた(笑)
Dan:そうそう、君のサイトではSinkも紹介してるよね?
以前、彼等と一緒にライブをやった時にリハで「Sloop John B」を演奏してたんだ。
The Beach Boys!(…と2人で声を合わせ、にこやかに笑う)
ほら、あの曲ってハーモニーに溢れているだろ?
それをSinkが演奏してたんだよ。ミスマッチだよね(笑)

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(その他、あれやこれやと音楽の話)
Dan:Beatlesは嫌いなんだ。Rolling Stonesの方が好きだ。
リバプールでは何処もかしこもBeatlesの曲で溢れ返っててね。
そんな環境にいるうちに段々と彼等の音楽が嫌いになっていった。
リバプールは他にも良い面をたくさん持っている街なのに、
多くの人はリバプールをBeatlesの出身地としてしか認識していない。
D2 :あー、そう言えば雑誌のインタビューで
Stone Rosesのジョン・スクワイアも同じような事を言っていたなぁ。
(*注:イアン・ブラウンの間違い。自分の記憶違いでした。)
D2 :(Stone Rosesと言えば)Oasisとかは好き?
Dan:音楽的にはそうでもないけど、あのアティテュードは好きだね(笑)

Dan:あと、Mighty Mighty Bosstonesは好きだなぁ。彼等を知ってる?
D2 :うん。Voodoo Glow Skullsはどう?
(*注:Danはメタルが好きで、Voodoo Glow Skullsはメタルの要素を多く含んでいるのです)
Dan:いやぁ、彼等はあんまりだな。僕が若い頃に聴いていたらハマっていたかもしれないけど。
D2 :日本では彼等みたいな音楽をスカコアって言うんだ。
スカのリズムを使うハードコア、略してスカコア。
で、GreendayとかOffspringはメロディックなハードコアだからメロコア。
Dan :ハッハッハ。変なの!

Dan:普段はElectric Eel Shockが大好きでよく聴いているんだ。
(*イギリスを拠点にしている日本人のバンド。今回、日本でツアーを回っており、ダンはそれに同伴したのです。)
他には、Peter Pan Speedrockとか、Sludgefeastとか。MP3プレイヤーで聴いてみる?
D2 :おー、Creativeのプレイヤーを使ってるんだ。僕も同じようなタイプのを持ってるよ。
Creativeは良いよね(*マレーシアの会社。MP3プレイヤーよりもPCのサウンドカードとかが有名)。
i-tunesとかのソフトを経由せずにドラッグ&ドロップでファイルを移せるし。
Dan:i-podかぁ。あんなに容量要らないよ。僕は低音質でも構わないと思ってるから。
でも、君のプレイヤーは256MBなんだね。それじゃあ、ちょっと少なくない?
D2 :いや、僕にはこれで充分だよ。普段は職場に行くまでの間しか聴かないし。
Dan:君は何処で働いてるの?
D2 :うーんとね、ちょっとベランダに出ようか。
あそこに標識があるでしょ?で、××って書いてあるのが見える?
その場所で働いてるんだ。徒歩5分で着いちゃうから、256MBでも大きすぎるくらい(笑)
で、君は何処で働いてるの?
Dan:駅で荷物を送るマネージャーをしてるよ。退屈な仕事だけどね。

Dan:昨日はBrowntroutの音源を聴かせてもらったよ。カッコ良かった。
D2 :リョウ(敬称略)のブログでも見てみようか。
きっと君に関する何かを書いてるよ。ほら!(*ダンの写真がUPされてました)
Dan:あー、嬉しいね。カズやミソはサイトを持っているの?
D2 :もちろん!カズ(敬称略)は、すごく大きなディストロをやってるよ。
でも、ミソの方は…ちょっと待ってね(Browntroutのサイトのトップページを開く)。
見てよ、トップページのこれが殆ど全ての情報なんだ(笑)

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(WBCで日本が優勝したニュースを見て)
D2 :イギリスではどんなスポーツが盛んなの?
Dan:サッカーだね。
D2 :もちろん(笑)
Dan:あと、ラグビー。でも、ラグビーは好きじゃないな。
それと僕はサッカー観戦もあんまり好きじゃないんだ。
ナショナリズムの極地みたいな連中がいるし。
D2 :フーリガンの事?
Dan:いやいや、フーリガンじゃなくてもヤバい奴等がいっぱいでね。
ファイアーワークスって知ってる?
D2 :あー、何の事だろう…(と、おもむろに携帯の辞書をチェック。花火という和訳が出る。)
うん、分かった!(要するに白煙筒の事ですね)
Dan:アレって本当に目の前が見えなくなっちゃうんだ。
奴等は敵チームがコーナーキックを得る度に、それをグラウンドに投げ込むんだよ。
そういうバイオレンスな行為に対しては抗議をしなくちゃいけないと思う。
D2 :君はプロテスタントなの?
(Protest=反抗/抗議って言葉をキリスト教の宗派と間違える阿呆なドウドウ)
Dan:いや、無宗教だね。君は?
D2 :ウチの家族はクリスチャンなんだけど、僕は…
Dan:無宗教?
D2 :うん。
Dan:(WBCで)アメリカは日本に負けたの?
D2 :いや、日本はアメリカに負けたんだけど、韓国がアメリカに勝ったんだ。
Dan:韓国が?本当に?(笑)
D2 :今回のアメリカにはメジャーリーガーがたくさんいたはずなんだけどねぇ。
あ、そうそう、メキシコもアメリカに勝った(笑)

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(今年のワールドカップに関する番組を観て)
D2 :イングランドって何回優勝してるんだっけ?
Dan:地元で開催された時の1回だけなんだよ。もう40年も前の話。
ドイツは3回も優勝してるのになぁ。今回、日本は強いチームに囲まれちゃったね。
オーストラリアに友達がいるんだけど、彼は決勝トーナメント進出は
ブラジルとクロアチアで決まりだろうって言ってたよ。
D2 :普通に考えたら無理だろうけど、でもすごく楽しみにしてる。
そう言えば、イギリスって通貨にユーロを採用していないよね。
(*ワールドカップでイギリスと同じグループリーグにいるスウェーデンもユーロ不参加だったもので。)
Dan:多くのイギリス人にとってポンドは英国の誇りみたいな物なんだ。
それにユーロに切り替えると物価が上がっちゃうんだよ。フランスやドイツが顕著な例だ。
そのインフレーションを誘う原因となるのを恐れている人達もたくさんいる。
でも、各国がユーロを導入するのは悪い事じゃないよ。アメリカのドルへの対抗馬が必要だから。
アメリカに住んでいる人達は好きだけど、あまりにもアメリカが力を持ち過ぎるのは危険だと思う。

D2 :(マラドーナの映像が流れる)アルゼンチンとイギリスって険悪だって聞いたけど?
Dan:政治的ないざこざもあったからね。
D2 :フォークランド紛争の事?
Dan:うん。それにホラ、このイギリスとアルゼンチンの試合も、その一端だと思うよ。
マラドーナは、いわゆる“神の手”を使ったろ?(笑)
でも、スポーツにナショナリズムを持ち込むのは良くないね。
D2 :うーん、でもスポーツにナショナリズムのような物は不可欠でもあるなぁ。
誰でも地元のチームを応援するよね。そういった物もナショナリズムと言えるなら
それ自体は悪い事じゃないと思うけど、余りにも傾きすぎちゃうと…
それは宗教も同じだと思う。IRA(Irish Republican Army)とかは今でも活動しているの?
Dan:いや、そんな事ないよ。最近は段々大人しくなってて、
最近(2005年)には武装闘争の終結も宣言されたんだ。
でも、その代わりにアルカイダが出てきちゃったけどね。
僕の働いてる所では、そういう事(爆弾によるテロ)に敏感にならなきゃいけないんだ。

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さて、自分の防備録としての側面も兼ねて書き連ねましたが、いかがなモノだったでしょうか。
それと、What's Newの所でも仄めかしましたが、ここでもう明らかにしておきましょう。
Driveのディスコグラフィー盤がBoss Tuneageからリリースされた際には
彼等のBBC(British Broadcasting Corporation)でのライブ映像を当サイトで公開します。
対バンにはThe CureやMy Bloody Valentineが名を連ねています。当時の新聞でのTV欄は、こちら
ダンが言うには“著作権的には少し問題があるかもしれないけど、
こんなの今さら誰も気にしないから多分大丈夫だよ”…いやいや、喜ぶ人はたくさんいると思いますよ。

Take it back, it's too late to say those words.